こんにちは。金物店店主のハマゾーです。
金物店を営んでいるとチップソーやのこぎりの目立てについて問い合わせを多く頂きます。
現在、私どもではチップソーの目立ては受け付けていますが、のこぎりの目立てに関しては引き受けれず、お断りをしています。
のこぎりの目立てだけお断りしている理由としては、のこぎりの目立てができる職人さんが私どもの周りに居ないというのが最大の理由です。
建築工法の変化によってのこぎりを使用する大工さんが減り、のこぎりの目立ての依頼が昔に比べて激減していること、のこぎりのスタンダードが目立てではなく替刃式に変わっていることによって、のこぎりの目立てという職業が成り立たなくなっています。
そのため、のこぎりの目立てを主にしている職人さんの数が全国的に激減しています。
のこぎりの目立てをする職人さんがいないのであれば自分で勉強して、自分がのこぎりの目立てをできるようにすれば良いんじゃないの?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、正直な思いとしては、のこぎりの目立ては相当難し作業です。
素人がのこぎりの目立てをすると、パッと見た感じで目立てしてある状態にはできますが、すぐに切り止んでしまいます。
そのため、ヘタに自分でのこぎりの目立てをしてお客様に迷惑を掛けるわけにはいかないので私どもでは素直にのこぎりの替刃の交換をおすすめしています。
しかし、お客様の中にはどうしても目立てをしないとなりませんという人や自分で目立てにチャレンジするという人もやはりいらっしゃいます。
そこで金物店店主としてのこぎりの目立てに必要な使えるツールと簡単な使い方のご紹介をさせてもらおうと思います。
ただし、文面としては説明できたとしても実際には、かなり難しい作業になりますので「おれにはムリかな!?」と思われる方がいたらこれ以上読み進めないでください。
大切な時間をムダにしてしまいます。
のこぎりの目立ての仕方
のこぎりの目立てをする時には、大きく分けて2つの工程があります。
その2つとは、のこぎりのあさりを出すこととのこぎりの刃を研ぐことの2工程に分かれます。
この2工程について詳しくご紹介していきます。
のこぎりの目立てで重要なのこぎりのアサリ出し
のこぎりのあさりとは、のこぎりで木材をカットする時の摩擦を軽減するためののこぎりの構造を現しています。
のこぎりのあさりについてさらに詳しく知りたい方はのこぎりの正しい使い方!金物店店主が教える小学生でも簡単にできるコツ!!でも取り上げさせてもらっていますので参考ください。
のこぎりの刃をどれだけしっかりと研磨していたとしてもアサリ出しができていないと、のこぎりが木に食い込んでしまい、のこぎりの動きが悪くなってしまいます。
アサリ出しができていないということは刃が中央に寄っている状態を意味します。
この中央に寄っている状態を両サイドに程よく広げてやるのがアサリ出しになります。
アサリ出しの方法は、のこぎりの目立て用としてアサリ槌というものがあります。
一見、普通の金槌のように見えるのですが、先端が平べったくなっていて、叩く面がギザギザになっています。
この鋸目立用アサリ槌で、のこぎりの刃を叩いて適度に広げます。
この適度の調整が素人には、非常に難しいです。
また、どの刃を叩かなくてはいけないかも決まっています。
狙った刃ではない刃を叩いてしまうと叩く方向が違うため、刃を痛めてしまい、のこぎり自体をダメにしてしまいます。
詳しく知りたい時はYou Tube上で参考になる動画が出ていましたので引用させて頂きました。下にある動画を参考にしてみてください。
鋸のアサリ出しに関しては、他にも方法があります。
それはアサリ出しのための工具を使うことです。
ソマックスのソーセットというツールが古くから有名な鋸のアサリ出し用のツールですが、このツール自体も扱うのは、かなり難しいと思います。
硬いのこぎりに使ったり、使い方を失敗すると、のこぎりが折れたりしてしまいます。
そのため便利ツールと言っても扱いには注意が必要です。
三木技研鋸目立用 アサリ槌(柄付)特大 (C-70-326
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ソマックス ソーセット 普通目用 250
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のこぎりの目立てで重要なのこぎりの刃研ぎ
のこぎりのアサリ出しができたら次は、のこぎりの刃を研ぐ作業になります。
のこぎりの刃を研ぐ際には、のこぎりの目立て用のやすりを使います。
この研ぐ作業も「研ぐ部分」、「研ぐ方向」、「研ぐ順序」、「研ぎ方」など細かい技術が必要になります。
言葉で簡単に説明するのであれば、
・まず刃を一つ飛ばしで同じ方向の刃の裏側を押して削ります。
・のこぎりを反対に返して、もう一方の刃の裏側を同じように押して削ります。
・つぎに刃の表側を同じように押して削ります。
・のこぎりを反対に返して同じように削ります。
・最後に刃の上目を軽く削ります。
のこぎりの刃を研ぐコツとしては、あまり力を入れないことがコツらしいのですが、冒頭でも触れたとおり、文面としては説明できたとしても実際には、かなり難しい作業になります。
こちらも詳しく知りたい時は、引用させて頂きました下にある動画を参考にしてみてください。
Y-SK11 目立用ヤスリ仕上目 刃長:125mm
*上記リンクは楽天リンクです。
引用元:You Tube
https://www.youtube.com/watch?v=d1_iZ6yIoc4
まとめ
いかがでしたでしょうか?動画上で目立てをされている方は簡単そうに作業を行なっていますが、のこぎりの目立ては、経験や失敗を数多くして得ることができる「熟練の技」が必要になってきます。
器用ではない私は正直あきらめました。
そのため、インターネット上でツールを売りたいからだと思いますが、年齢が若めの人が「のこぎりの目立てが簡単にできました!!」みたいなレビューはあまりあてになりませんので注意してください。
ご年配の「昔は大工さんだった」というような方であれば簡単にのこぎりの目立てはできるかもしれませんが、普通の一般の方や素人の方には、難しい作業になりますので、のこぎりの目立てにチャレンジしようと思っている方がいるのであれば、ご自身が目立てをして器用に目立てを行なっているイメージを前もって持たせてからチャレンジしてみてくださいね。